予算作成
中小企業の予算作成の必要性
なぜ予算作成が必要なのか
会社によって作成している会社もあれば、作成していない会社もあります。我々は、どのような業種のお客様にも予算を作成することを勧めております。では何故、予算を作成した方が良いのでしょうか?
予算作成には様々な目的がありますが、一番の目的として会社経営上の将来予測の必要性があげられます。損益の将来予測をきっちり行うことによって、資金繰り予測、税務戦略、事業戦略を行うことも可能となります。
経営者の中には「自分の頭に入っているから大丈夫」という方もいらっしゃいます。もちろん経営者は長年の経験・日常の行動から会社のことを誰よりも一番良く把握されており、予算作成を行わなくても問題ない場合もあります。しかし、いざ数字に落とし込むとイメージと違う場合も往々にしてありますので、試しに一度、作成されてみてはいかがでしょうか。

税務戦略による予算
どの企業にも関係するものとして役員報酬の決定・消費税の選択があります。
- 役員報酬の決定
新規のお客様になるところで良く見受けられるのが、役員報酬が適切な額になっていない場合です。例えば、次のようなケースです。- ①役員報酬が過大に設定されている。
このケースの場合には、会社が赤字になり資金不足分を役員借入で補っていることがあります。換言すれば、役員が支給された報酬を会社に戻していることになりますが、役員報酬が高額となり個人所得税の負担が増しているのに、役員個人の手元には、お金が残っていないことが問題となります。 - ②役員報酬が過小に設定されている。
このケースの場合には、会社が黒字になり法人税を納税することになります。役員報酬を増額すれば法人税負担が減り、所得税負担が増すことになりますが、税負担のバランスを考え適切な額に設定したいものです。
また、会社の役員報酬の変更は、原則、定時株主総会後の1度きりしか行えません。何故なら、この時以外の変更を行う場合には、その事業年度で支払った役員報酬の一部が税金計算上、経費とならなくなり不利益を被ることになるからです。
従って、事業年度初めにおいて1年間の損益を予測し適正な役員報酬を設定することが、とても重要となります。
- ①役員報酬が過大に設定されている。
- 消費税の選択
消費税の計算は、1.課税事業者と免税事業者に区分され、2.課税事業者となった場合に原則課税と簡易課税の計算方法に区分されます。これらについて、企業の意思で選択できる場合があり、計算方法が異なるため最終的な納税額にも影響します。従って、資金繰りの厳しい中小企業にとっては、これらの方法の中から企業の状況に応じて最善の方法を選択することが必要となります。しかし、最善の方法を選択するためには将来の予測が不可欠となります。これは、各方法の選択届出を計算事業年度開始日の前日(設立事業年度は設立事業年度末日)までに行う必要があるためです。従って、決算前には翌期の予算作成を行い、どの方法が最善なのか十分検討したうえで選択する必要があります。
予算の作成方法
では、どのように作成すれば良いのでしょうか。市販の参考書をみると目標利益を定めて、これを基に予算計画を作成することが一般的に紹介されています。しかし、これが全てではありません。毎年、株主配当を行うために利益を出すことを義務付けられる上場企業ならともかく、非上場の中小企業では将来の市場予測、営業戦略などにより単年度ベースでは赤字覚悟で攻めなければいけないこともあります。言い換えれば、中長期的な見通しも踏まえて本年度に行う事業計画を数字に落とし込む作業と言えます。
簡単な一例として下記の方法を紹介します。
- 年間の固定費(販売管理費。売上高と連動する販売費を除く。)を決めます。
この段階では、ある程度ざっくりしたもので十分です。 - 最低限この固定費を稼ぎ、損益が同額となるための売上高を計算します。
固定費÷(1-変動比率) ※変動比率 売上高と連動する売上原価と販売費
ここで計算される金額が損益分岐点売上高となります。 - 目標売上高を設定します。
損益分岐点売上高よりも目標売上高が見込めるのであれば、黒字の予算となるはずです。次には、そこで計算される利益が目標利益に及ばないのであれば、売上・変動費・固定費のいずれか、あるいは複数を見直す必要があります。
これは目標売上高が損益分岐点売上高に届かないときの、赤字予算となる場合についても同様です。
予算計画を行う一番の目的は3.の過程における個々の議論です。
売上を伸ばすため、原価を抑えるための良い方法・管理方法はないか!
固定費の個々の項目の中で無駄な部分、削減の良い方法はないか!などです。
これらの議論から個々の問題点を洗出し、解決策を検討することは、とても大切なことです。
なお、計画には借入の返済・保険積立金・法人税等の納税などの損益外キャッシュアウトも考慮して、資金繰りに行き詰らないようにすることも大切です。
また、借入がある企業においては最近の景気悪化から、次回の借り換えが出来なくなるリスクもありますので考慮する必要がありそうです。

実績との比較
予算は作りっぱなしでは意味がありません。毎月の実績と比較検討し、問題点があれば修正していくことが必要です。これは業務の見直し、予算の見直しが含まれます。結果として現在までのタイムリーな会社の状態を把握し、将来に向けて適切な事業戦略・税金戦略が行えることになります。つまり、将来に向けた経営意思決定・資金使途にも影響することになります。
これらの場面において我々がきっと力になりますので、安心してご相談下さい!