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21.二次相続

2012.12.27

二次相続について

  今回は、二次相続について纏めたいと思います。

1、二次相続とは

二次相続とは、以下のような親族図の場合に、甲が死亡した後に妻が連続して死亡する場合の妻の相続をいいます。すなわち、甲から財産を妻や子供に相続した後に、妻が死亡することにより、妻の相続が連続して起こることです。

2、二次相続で問題となるケース

連続して相続が発生すると想定される場合には、甲に係る相続税のみを考慮して誰にどの財産を相続させるかを決定すると、二次相続の時に思わぬ相続税が課税されることがあります。そのため、二次相続の相続税も考慮に入れて一次相続の遺産分割を行うことが重要となります。
具体的な事例でみてみたいと思います。

3、具体的事例

(1)所有財産

  親族関係は、上記の図を前提としますが、甲は、以下のような財産を所有していました。

①居住用土地(220㎡):50,000,000円
②居住用建物     :10,000,000円
③現金預金等     :100,000,000円

※1:計算の簡便性から債務(葬式費用含む)はないものと仮定します。
※2:計算の簡便性から時価と相続税評価額がイコールであるものと仮定します。
※3:妻が上記土地を相続した場合には、小規模住宅用地の特例(80%評価減)の適用があります。

(2)一次相続税額の試算

  以下のケース別に相続する財産が異なる場合に、どのような結果になるかみていきたいと思います。なお、ケース1からケース3は、妻が居住用土地及び建物を相続することとします。

①ケース1:法定相続分で分割した場合
②ケース2:一次相続に係る相続税額が最も安くなるように分割した場合(全ての財産を妻に相続)
③ケース3:必要最低額だけを妻に相続させた場合
④ケース4:居住用不動産を子供に相続させた場合(妻が現預金等全額相続)

※1:配偶者は、法定相続分と1億6千万円とのいずれか大きい金額までは、課税がされない仕組となっておりますので、ケース2においては、全ての財産を妻が相続すると、一次相続では、相続税が全く課税されないことになります。

(3)一次相続に係る相続税の総額の試算

  相続税の総額は、以下のようになります。居住用土地は、80%評価減となりますので、相続税評価額としては、10,000,000円となります。したがって、ケース1からケース3については、課税される財産の価格の合計額は、1.2億円になります(土地1,000万円、建物1,000万円、現預金等1億円)。

ケース1~3 ケース4
課税価格合計額 120,000,000 160,000,000
基礎控除額 80,000,000 80,000,000
課税相続財産額 40,000,000 80,000,000
法定相続分
 妻 1/2 20,000,000 40,000,000
 長男 1/4 10,000,000 20,000,000
 長女 1/4 10,000,000 20,000,000
法定相続分に対応する相続税額
 妻 2,500,000 6,000,000
 長男 1,000,000 2,500,000
 長女 1,000,000 2,500,000
相続税額計 4,500,000 11,000,000

(4)一次相続に係る各人の相続税額

  各人の相続税額は、以下のようになります。

各人の課税価格 ケース1 ケース2 ケース3 ケース4
 妻 60,000,000 120,000,000 40,000,000 100,000,000
 長男 30,000,000 0 40,000,000 30,000,000
 長女 30,000,000 0 40,000,000 30,000,000
各人の相続税額
 妻 2,250,000 4,500,000 1,500,000 6,875,000
 長男 1,125,000 0 1,500,000 2,062,500
 長女 1,125,000 0 1,500,000 2,062,500
配偶者の税額軽減 -2,250,000 -4,500,000 -1,500,000 -6,875,000
相続税額計 2,250,000 0 3,000,000 4,125,000

(5)二次相続に係る各人の相続税額

  なお、二次相続にあたっては、以下を前提としております。

①妻の相続発生時点では、甲から相続により取得した財産が1千万円減少する(甲死亡時に自身の所有していた財産は、二次相続時点では全て費消して無いものとします)
②二次相続では、子供が同居しておらず、他の要件も満たせないため、小規模宅地等の特例の適用がない
③子供は、法定相続分により妻から財産を相続する

二次相続税額試算 ケース1 ケース2 ケース3 ケース4
課税価格合計額 90,000,000 150,000,000 70,000,000 90,000,000
基礎控除額 70,000,000 70,000,000 70,000,000 70,000,000
課税相続財産額 20,000,000 80,000,000 0 20,000,000
法定相続分
 長男 1/2 10,000,000 40,000,000 0 10,000,000
 長女 1/2 10,000,000 40,000,000 0 10,000,000
法定相続分に対応する相続税額
 長男 1,000,000 6,000,000 0 1,000,000
 長女 1,000,000 6,000,000 0 1,000,000
相続税額計 2,000,000 12,000,000 0 2,000,000

(6)一次相続と二次相続の合計税額

ケース1 ケース2 ケース3 ケース4
0 0 0 0
長男 2,125,000 6,000,000 1,500,000 3,062,500
長女 2,125,000 6,000,000 1,500,000 3,062,500
総計 4,250,000 12,000,000 3,000,000 6,125,000

まとめ

  上記のように一次相続のみを考慮して遺産分割してしまうと、二次相続も含めた相続税額が多くなってしまうケースが生じますので、連続して相続が発生する可能性がある場合には、二次相続も考慮に入れて分割協議をする必要あるでしょう。また、以下のようなことも考慮した方が良いでしょう。

(1)値上がりしそうな資産については、次世代に相続させる
(2)収益が発生するような資産(賃貸不動産等)については、次世代に相続させる
(3)複数の不動産がある場合には、二次相続においても小規模宅地等の特例の適用が受けられるように分割する

  なお、二次相続が発生するまでに長期間猶予がある場合には、妻が子供に生前贈与を行うことにより、二次相続に係る相続税額を軽減することができますので、生前贈与により次世代への移転ができる場合には、ケース2が有利となる可能性もあります。そのため、遺産分割にあたっては、今後の対策も含めて検討することが重要かと思われます。

(2012.12.27)

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