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金銭債権

2009.06.24

金銭債権の流動化

昨今、金融危機が叫ばれておりますが、債権を流動化する、もしくは、流動化した債権の売却等が増加しております。
そこで、金銭債権を流動化する場合における基本的な事項について、簡単に記載したいと思います。

オフバランス要件

金融商品に関する会計基準(以下「金融商品会計基準」)では金融資産の譲渡に係る消滅の認識は財務構成要素アプローチによることとし、金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは次の三要件がすべて充たされた場合としています。


譲渡された金融資産に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人及びその債権者から法的に保全されていること

譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できること

譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期日前に買戻す権利及び義務を実質的に有していないこと
  1. 譲渡された金融資産に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人及びその債権者から法的に保全されているかこれについては具体的に次の点を考慮して判定します。(金融商品会計に関する実務指針(以下「実務指針」)第31項)
    ① 契約又は状況により譲渡人は譲渡を取り消すことができるか否か
    ②譲渡人が破産、会社更生法、民事再生法等の下に置かれた場合、管財人が当該譲渡金融資産に対し返還請求権を行使できるか否か(第三者対抗要件を満たす場合に譲渡金融資産は「法的に保全」されているものとして取り扱う)実務上は第三者対抗要件を具備するため、確定日付のある証書による貸付債権の原債務者の承諾を取得することが一般的に行われています。
  2. 譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できるか金融資産の譲受人が会社、信託又は組合等の特別目的会社の場合には、当該特別目的会社が、適正な価額で譲り受けた金融資産から生じる収益を当該特別目的会社が発行する証券の保有者に享受させることを目的として設立されており、特別目的会社の事業がその目的に従って適正に遂行されていると認められることとなる場合には、譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できることとされています。(金融商品会計基準第9項(2)、金融商品会計基準注解4)
  3. 譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期日前に買戻す権利及び義務を実質的に有していないか買戻権が付与されている譲渡の場合にはその内容に注意する必要があります。支配の移転が認められる譲渡人の買戻権は次の場合となっています(実務指針第33項)。
  • 譲渡人に買戻権がある場合でも、譲渡金融資産が市場でいつでも取得することができるとき、又は買戻価格が買戻時の時価であるときは、当該金融資産に対する支配が移転しているとされます。 (譲渡金融資産が市場で容易に取得できないもので、かつ、買戻価格が固定価格であるものは、当該金融資産に対する支配は移転していないと考えます)
  • 流動化資産の残高が当初金額の一定割合を下回った結果、回収サービス業務コストの見合いから譲渡人が当該残高を買い戻すクリーンアップ・コールは、支配の移転が認められる買戻権であるとされております。

オリジネーターが譲受人であるSPCの証券等を保有する場合の留意点

オリジネーターが譲渡金融資産の対価としてSPCの発行する証券等を保有する場合は、証券等の保有者が実質的に金融資産を譲り受けたとみなされ(金融商品会計基準注解(注4))、譲渡人=譲受人となり譲渡がなかったものとされます(実務指針第40項)。
つまりオリジネーターがSPCに優先出資や匿名組合出資を行ったり、受益権や特定社債を取得した場合、その部分はオフバランスされません。
この「残存部分」の帳簿価額は、譲渡した債権から貸倒引当金を控除した帳簿価額を消滅した部分の時価と残存部分の時価で按分して配分した金額となります(実務指針第118項)。さらに、残存部分の時価が合理的に測定できない場合、時価をゼロとして譲渡損益を計算し、当初計上額もゼロとすることになります(実務指針第38項)。