4.相違点(3)
2008.12.29
減損会計
| 項目 | IFRS | 日本基準 |
| 適用範囲 | 棚卸資産、工事契約から生じる資産、従業員給付から生じる資産(=前払年金費用)及び金融資産等を除く全ての資産 | 金融資産、繰延税金資産、前払年金費用等を除く固定資産 |
| 対象資産 | 回収可能価額が簿価を下回っている資産 | 割引前キャッシュ・フローが簿価を下回っている資産 |
| 減損の戻入 | 資産価値の回復が認められれば減損損失を戻し入れ、収益として認識 | 行わない |
投資不動産
| 項目 | IFRS | 日本基準 |
| 範囲 | 賃貸収入、値上がり益またはその両者を得る目的で保有される土地・建物 (例示) ①長期値上がり益を目的として保有する土地 ②将来の用途が決まっていない土地 ③企業が保有し、オペレーティング・リースで賃貸している建物 ④将来、オペレーティング・リースで賃貸するために保有する建物 |
棚卸資産に分類されている不動産以外のものであって、賃貸収益又はキャピタル・ゲインの獲得を目的として保有されている不動産
①B/Sにおいて投資不動産に区分されている不動産 |
| 当初認識及び測定 | 次の2要件が満たされる場合に投資不動産を認識する。 ①投資不動産に帰属する将来の経済的便益が企業にもたらされる可能性が高いこと ②投資不動産の取得原価が信頼性をもって測定可能であること当初認識時は取得原価で測定される。 ①購入 購入代価+直接的付随費用 ②自家建設 建設・開発が完了した日の額 |
注記 ①賃貸等不動産の概要 ②賃貸等不動産のB/S計上額及び期中における主な変動 ③賃貸等不動産の当期末における時価及びその算定方法 ④賃貸等不動産に関する損益適用時期 平成22年3月31日以降終了事業年度の年度末から (早期適用可) |
| 当初認識後の測定 | 公正価値モデルまたは取得原価モデルを選択する。(※) 公正価値モデルの場合、公正価値の変動による損益を認識する。 原価モデルの場合、取得原価で評価したうえで減損会計が適用されるほか、公正価値を注記する。 |
|
| 認識の中止 | 次の場合に認識を中止する。 ①処分された場合 ②永久に使用されなくなり、除却による将来の経済的便益が見込めなくなった場合 |
(※)公正価値モデルとは、投資不動産を貸借対照表日現在の市場価値等で評価する方法であり、原価モデルとは、取得原価から減価償却費を控除して投資価値を評価する方法である。
リース
| 項目 | IFRS | 日本基準 |
| 分類 | ファイナンス・リース オペレーティング・リース |
ファイナンス・リース ①所有権移転型 ②所有権移転外型 オペレーティング・リース |
| ファイナンス・リースの定義 | 資産の所有に伴うリスクと経済的利益を実質的に全て移転するリース | ほぼ同左 但し、現在価値基準及び経済的耐用年数基準による数値基準用いる |
| 借手のファイナンス・リースの会計処理 | 売買処理 所有固定資産と同一の減価償却方法を採用 |
売買処理 所有権移転外型については所有固定資産とは別個に減価償却方法を採用 |
外貨建資産・負債
| 項目 | IFRS | 日本基準 |
| 換算 | 取引発生時の為替相場 為替予約についてはヘッジ会計に従う |
同左 但し、為替予約について振当処理も可 |
| 在外事業体 | 子会社、支店という区分は無い | 支店か子会社かにより区分 |
| 在外事業体の換算 | 親会社・本店と不可分の事業体(機能通貨=報告企業の通貨)の場合、テンポラル法
その他の独立した事業体の場合、資産及び負債は決算時の為替相場、損益取引は取引発生時の為替相場 |
支店についてはテンポラル法
子会社については、資産・負債は決算時の為替相場、損益項目は原則期中平均相場、容認決算時の為替相場 |
引当金・偶発債務・偶発資産・後発事象
| 項目 | IFRS | 日本基準 |
| 引当金の定義 | 決済の時期または金額が不確実な負債(過去の事象から発生した企業の現在の義務で、その決済により、経済的便益を有する資源が企業から流出する結果となることが予想される負債) | 定義している規定はない |
| 引当金の要件 | ①企業が過去の事象の結果として現在の(法的又は推定的)債務を有していること ②当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高いこと ③債務の金額について信頼し得る見積もりができることこのうち、①については、貸借対照表日における債務の存在の可能性が50%超であれば、要件を満たす。 また、②についても、資源の流出の可能性が50%超であれば、要件を満たす。 |
①将来の特定の費用又は損失であること ②当期以前の事象に起因すること ③発生の可能性が高いこと ④金額を合理的に見積もることができること要件に当てはまるものは、債務以外の経済的負担となる引当金も対象となるため、評価性引当金である貸倒引当金や、修繕引当金なども引当金に含まれる。修繕引当金については、IFRSでは支出時に資産計上され、減価償却を通じて費用化される。 |
| 引当金の測定 | 将来の不確実性と、時間的価値を加味して測定する。 つまり、統計学的手法を用い、かつ貨幣の時間的価値を加味する。 |
基準は無く、一般的ではない。 |
| 偶発債務の定義 | ①過去の事象から発生し得る事象のうち、企業が必ずしも管理可能な範囲にあるとはいえない将来の1つもしくは複数の不確実な事象が発生するか、または発生しないことによりその存在が確認される義務 又は、 ②過去の事象から発生した現在の義務ではあるが、義務決済のために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高くない、又は義務の金額が十分な信頼性をもって測定できないために認識されていないもの |
現実に発生していない債務で、将来において事業の負担となる可能性のあるもの |
| 偶発資産の定義 | 過去の事象から発生しうる資産のうち、企業が必ずしも管理可能な範囲にあるとはいえない将来の1つもしくは複数の不確実な事象が発生するか、又は発生していないことによりその存在が確認されるもの | 対応する規定はない |
| 偶発資産の開示 | 開示対象 | 開示対象外 |
| 後発事象の定義 | 貸借対照表日と財務諸表公表の承認日との間に発生する事象で、企業にとって好ましい事象と好ましくない事象の双方をいい、貸借対照表日に存在した状況を立証する事象(修正後発事象)と、貸借対照表日後に発生した状況を示す事象(非修正後発事象)に分類される。 | 貸借対照表日後、損益計算書及び貸借対照表を作成するまでに発生した事象で、次期以降の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすもの |