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役員の責任限定契約
平成24年9月7日開催の第167回法制審議会において、会社法制の見直しに関する要綱が示されました。要綱においては、監査・監督委員会設置会社制度、多重代表訴訟制度、特別支配株主の株式売渡請求(キャッシュ・アウト)などが審議されていますが、今回は、その中から取締役及び監査役の責任の一部免除について取り上げてみたいと思います。 現行の会社法において、取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対して、これによって生じた損害を賠償する責任を負い(法423条1項)、その責任は、総株主の同意がなければ免除することができないこととされています(法424条)。 上述の通り、役員の責任を減免するには、総株主の同意又は株主総会の特別決議を要するのが原則ですが、上場企業など、株主が多数存在する場合には、実際に責任を減免することは実務上極めて困難です。 下線@の“業務執行取締役”とは、代表取締役及び代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたものをいいます(法363条1項)。“業務を執行する”とは、取締役会で決議された事項について、その実務を行う、実行することを意味すると考えられますので、従って、月に一度取締役会に参加し、決議のみを行うといった取締役は、業務執行取締役に該当しない、つまり社外取締役であると考えられます。 下線Aの、最低責任限度額とは、法425条1項に定める、 要綱においては、社外役員か否かという区分ではなく、業務執行に係るか否かにより区分し、業務執行に係らない役員は、従前通り2年を限度とする責任限定契約を締結でき、業務執行に係る取締役は、責任限定契約を締結することができないことになります。 現行の会社法
要綱
(要綱より) 『株式会社は、取締役(業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人との間で、第427条第1項に定める契約(責任限定契約)を締結することができるものとする。』 ア 代表取締役又は代表執行役 6 イ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 4 ウ 取締役(ア又はイに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 2』 (2012.11.26) |
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