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会社の解散・清算にかかる税務手続きについて

 いったん会社を設立したとしても、業績不振等により事業閉鎖に追い込まれ、会社の清算もやむを得ないケースもあるかと思います。

 平成22年度の税法改正により、会社解散についての税務手続きが大幅に変更されました。
 平成22年10月1日以後に解散した法人については、改正後の規定が適用されることとなります。

 今回は、平成22年10月1日以後に解散した法人の税務手続きについてまとめました。
 なお、平成22年9月30日以前に解散した法人が、平成22年10月1日以後に残余財産が確定した場合については、改正前の清算所得課税が適用になります。

(1)解散に伴う申告の種類の変更

 解散日の属する事業年度開始の日から解散日までの期間(解散事業年度)に かかる確定申告については、損益法による通常課税方式により各事業年度の所得に対する法人税が課税されるのは以前と変更ありません。
 改正前は、解散日の翌日から残余財産確定日までの期間を一事業年度とみなし、清算所得に対する法人税が課税されていましたが、改正後は、解散日から同日以後1年ごとに区切った期間をそれぞれ一事業年度とみなし、各事業年度の所得に対する法人税が課税されます。

(例) 通常事業年度 :4/1〜3/31  /  解散日:平成22年10月31日
   残余財産確定日:平成24年1月31日





各事業年度の所得・・・

その事業年度の益金の額からその事業年度の損金の額を控除した金額。いわゆる損益法により計算した金額。
  清算所得・・・


残余財産の価額から、解散時の資本金額・資本積立金額・利益積立金額等の合計額を控除した金額。いわゆる財産法により計算した金額。

(2)100%完全支配子会社が解散した場合の親会社での取扱い
未処理欠損金の引継ぎ
   完全支配関係にある子会社の残余財産が確定した場合、その確定の日の翌日前7年以内に開始した各事業年度に生じた欠損金のうち、未処理欠損金額は、親会社の子会社の残余財産確定日の翌日の属する事業年度において引き継ぐものとされています。

子会社株式の譲渡損益の不計上
   完全支配関係にある子会社において残余財産の分配があった場合には、子会社株式の帳簿価額を譲渡対価とみなして、子会社株式の譲渡損益は計上しないこととされています。この譲渡損益は、資本金等の額の増加又は減少とします。

(3)期限切れ欠損金の損金算入

 解散法人に残余財産がない場合においても、債務免除益の発生により所得が生ずることもあり得ます。
 会社が解散した場合において、残余財産がないと見込まれる場合は、期限切れ欠損金の損金算入が認められています。

(4)解散に伴う税務上の手続き
会社解散届の提出
   会社が解散した場合には、遅滞なく、国税および地方税について、その旨を届け出なければならないこととされています。

 具体的には、異動届出書の「異動事項等」欄に解散した旨、また、「異動前」欄に解散前の通常の事業年度(上記例では4/1〜3/31)、及び「異動後」欄に解散日後の1年ごとに区切られる期間(上記例では、11/1〜10/31)を記入します。
 異動年月日欄には、実際の解散日及び解散登記日を記載します。
 なお、この届出書には、解散登記後の謄本の添付が必要となります。

解散事業年度にかかる確定申告
   解散日の属する事業年度開始の日から解散日までの期間(上記例ではH22.4.1〜H22.10.31)を1事業年度とみなして、その期間にかかる解散確定申告書(各事業年度の所得に対する法人税にかかるもの)を解散日の翌日から2月以内に提出および申告税額の納付をしなければならないこととされています。

清算中の各事業年度の確定申告
   解散日の翌日から1年ごとに区切られた期間(上記例ではH22.11.1〜H23.10.31)を1事業年度とみなして、それぞれの事業年度終了の日の翌日から2月以内に清算事業年度の確定申告書(各事業年度の所得に対する法人税にかかるもの)の提出、申告税額の納付をしなければならないこととされています。

 残余財産確定日の属する事業年度の確定申告
   残余財産確定日の属する事業年度(上記例ではH23.11.1〜H24.1.31)について、「残余財産確定事業年度の確定申告書」を、残余財産確定日から1月以内(その期間内に残余財産の最後の分配が行われる場合には、その行われる日の前日まで)に提出、及び申告税額の納付をしなければならないこととされています。





②、③の申告書については、いわゆる「確定申告書の提出期限の1月延長の特例」の適用が認められていますが、④の申告書についてはその適用がありませんので、注意が必要です。

清算結了届出書の提出
   解散した会社の清算結了登記が完了した後、国税及び地方税について、遅滞なく、その旨を届け出なければなりません。
 具体的には、異動届出書の「異動事項等」欄に清算結了、「異動年月日」欄に清算結了日及び清算結了登記日を記載することとなります。


【ポイント】
 会社の解散から清算結了までに要する期間は早くても3か月弱となります。
 会社の資産に不動産等が含まれている場合には、年単位で長期間に及ぶことも考えられます。

 清算結了までには色々な手続きがあり、それぞれに期限が設けられていますので、事前に細かくスケジュールを立てておくことが必要と考えられます。

(2011.3.8)

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