業務内容事務所概要・経営者紹介会計税務情報アクセス関連サイト

会計税務情報

税務
コンサル
SPC
会計
中間申告
 前年度の確定した所得税、法人税、消費税等の金額が、それぞれ一定の金額以上の場合には、翌期において、中間納付(所得税については、予定納税)により、一定金額を納付しなければなりません。
 今回は、その中間納付につき、各項目ごとにまとめてみたいと思います。

<消費税>
 消費税については、所得税、法人税とは異なり、前課税期間の消費税の金額によって、一月、三月、若しくは、六月毎に申告・納付が必要となります。(但し、その期が免税事業者に該当するのであれば、そもそも納税義務はありませんので不要となります。)
 仮に、前課税期間において、消費税額が多額に生じていた場合には、毎月納付が発生する場合もありますので、納税資金の留保には十分注意しておいてください。

1、判定
 それでは、その一月、三月、若しくは六月とはどのように判断すればよいのでしょうか?
 まず、上記にもありますが、判断基準は、前課税期間の消費税の金額となります。ただ、ここで注意していただきたいのが、これは、あくまで、国税部分の金額のみで判断されるということ。消費税は、現在税率5%ですが、その内訳として、4%部分は国税分、残りの1%は地方分となっていますので、その4%部分の金額のみを用います。

 具体的には前課税期間の消費税申告書の中段あたりに、消費税の「差引税額」という欄があるかと思いますが、ここが国税分となり、この、「差引税額」の金額を基準とします。(余談ですが、消費税額の計算では、まず4%部分のみで税額を計算し、最後に、その税額に25%を乗じて地方分を算出するという計算方法をとっているため、このような申告書の作りとなっています。)

 また、個人事業者の方、若しくは一年決算法人で課税期間の短縮を受けていない場合には、ここに記載されている金額で判断しますが、事業年度が一年でない法人であったり、事業年度は一年であるけれども、消費税の計算のみ一月であったり三月であったりと、課税期間を短縮している法人については、ここに記載されている金額を一年間に換算した金額で判断します。

 そして、上記により計算した金額がそれぞれ次の①〜③に該当する場合、それぞれ記載の期間(これを「中間申告対象期間」と言います。)において、中間納付義務が生じることとなります。(消費税法第42条)

  1. ① 前課税期間の消費税額が4,800万円を超える場合
     その課税期間開始の日から一月ごとに、前課税期間の消費税額の一月分を納付する。
  2. ② ①には該当しないが、前課税期間の消費税額が400万円を超える場合
     その課税期間開始の日から三月ごとに、前課税期間の消費税額の三月分を納付する。
  3. ③ ①にも②にも該当しないが、前課税期間の消費税額が48万円を超える場合
     その課税期間開始の日から六月ごとに、前課税期間の消費税額の六月分を納付する。
  4. ④ ①〜③のどの場合にも該当しない。
     中間納付義務はありません。
 ※納付する金額は、判定とは異なり、国税と地方税を合わせた、5%部分となります。

 画像をクリックすると拡大されます


2、仮決算
 上記のように、中間納付義務が発生してしまった場合、例えば、今期は大幅な設備投資を行い、売上よりも仕入の方が多くなりそう…といったケースもあるかと思いますが、そのような場合には、単純に前課税期間の税額を対応期間分納税するよりは、実際に、その対象期間を一課税期間とみなして、実額にて申告・納税を行った方が、納税額が少なくなる場合があります。

 この場合には、それぞれの中間申告対象期間は変わらず、その期間毎に、実際に計算(仮決算)を行った上で、中間申告書を作成し、その提出した申告書に基づき、納税を行うことが認められています。(消費税法第43条)
 例えば、前述のように、大幅な設備投資を行い、実際に計算を行ってみたら、仕入の方が多く、むしろ還付となり、中間納税額は0円となったという場合もあり得るのです。

 但し、中間申告においては、あくまで仮の数字となりますので、中間申告書を提出したとしても、その金額の還付を受けることはできません。(消費税法基本通達15-1-5)

 また、実際に計算した金額が、1、のそれぞれの金額以下となった場合においても、すでに、前課税期間の金額によって、一月、三月、六月の納税義務は確定しておりますので、たとえ計算した金額が0円であっても、1①に該当するのであれば毎月中間申告書を提出する必要がありますので、0円だからといって、仮決算による中間申告を行わないと、前課税期間の消費税額に応じた金額の納税義務が生じますので、十分注意してください。(消費税法基本通達15-1-4)

3、納付期限(個人事業者の特例)
 さて、中間申告対象期間の判定も完了し、それぞれの金額もわかりました。では、この金額はいつまでに納めればよいのでしょうか?
 これについては、原則として、それぞれの中間申告対象期間の末日の翌日から、二月以内に納税すべきと定められています。(消費税法42条)

 但し、前課税期間の消費税額が4,800万円を超えていた場合、1.①により、翌期、一月ごとに中間申告義務が生じますが、この基準となる、前課税期間の消費税額が確定するのは、12月決算であるならば翌年2月。3月決算であれば、5月頃となり、はじめの一月が経過した時点においては、そもそも中間申告の有無すら判明していません。
 従って、原則とは異なり、最初の一月分については、その末日の翌日から三月以内に納税すれば良いこととなっています。(12月決算では翌年4月、3月決算の場合には7月末が納期限となるわけです。)この場合、当然、二月目については原則通りとなりますので、一月中間申告に該当した場合には、はじめに二か月分の金額を納付する必要があります。

 ちなみに、個人事業者については、所得税の確定申告書提出期限が翌年3月15日であることもあり、消費税についても、その翌年3月末日までと延長されており、それに伴い、中間申告対象期間についても、それぞれ一月ずつ延長されています。(租税特別措置法施行令第46条の4)

(2008.7.22)


⇒所得・法人税の中間申告についてはこちら

この記事についてのお問い合わせ・お見積りはこちらへ

▲トップに戻る

Copyright Asuna Accounting. All rights reserved.  プライバシーポリシー