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グリーンシート
グリーンシートの存在自体は広く知られるところとなり、制度概要についても、サイトなどから知ることができるかと思います。
今回は、一般的に知ることができる制度概要よりもう一歩踏み込み、グリーンシートの実務的な面に焦点を当ててみたいと思います。 【グリーンシートとは】 グリーンシートとは、非上場の会社の株式等を売買するための制度であり、証券市場ではないものの、中小企業が直接市場から資金調達を行うことができる場であります。2009年6月22日現在、70社がグリーンシートに公開しています。 もともと、ディー・ブレイン証券の出縄社長が始めたビジネスをベースに、金融庁の指導等もあり、変遷を経て現在の制度に至っています。従って、グリーンシート=ディー・ブレイン証券、というのは言い過ぎかもしれませんが、グリーンシートの取扱い実績も同社が最も多く、ノウハウも非常に豊富です。 【メリット、デメリット】 グリーンシートについて語られる場合に、必ず、資金調達額との兼ね合いでメリットがあるのか、コスト倒れにならないか、といったことが議論になると思います。 これは個人的な見解ですが、明確な資金需要が無いままグリーンシートに公開した場合には、コスト倒れになると思います。 グリーンシートのHPに掲載されている、2009年6月25日現在の資金調達状況によれば、全91社の平均調達額は6,500万円弱です。1億円以上の募集で有価証券届出書の提出が必要になることもあり、1億円以上の資金調達を行った会社はわずか5社です。 ここから発行に際して証券会社に14%程度のフィーを払い、その後も毎年、株式事務や監査で数百万円のコストがかかり、また開示資料の作成などで社内の人件費もかかります。 さらに、投資家を募るのも社内のメンバーが自分達で行いますので、営業に支障がでるといった機会原価もかかります。 典型的なケースとして、グリーンシートが当てはまるのは以下のような会社かと思います。
このような状況があるのであれば、毎年一定のコストをかけても非常にメリットがある話だと思います。逆に、このような状況がないのであれば、利益の状況を踏まえ、本当に公開する必要があるのか、再考する必要があると思います。 【上場審査、ディスクロージャー、管理体制】 上場審査は最短で3ヶ月程度であり、証券市場に比べると非常にボリュームは少ないです。公開後、四半期での短信の他、株主総会も法定の手続き通りに開催する必要はありますが、こちらも難易度は高くないので、ある程度経理業務がこなせている会社であれば特に問題はないでしょう。 上場企業では当然に自計化が求められますが、グリーンシートでは記帳代行を依頼している会社もありますし、いざとなれば一定のフィーを払って外部のコンサルタントに依頼することもできます。監査も受けますが、年に1度期末に受けるだけですので、それほど大きな話ではありません。 グリーンシートがどのような市場であり、自社に具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのかを把握した上で、公開するかどうかを検討されるとよいでしょう。 当面の資金需要や将来のIPOにうまくつながるような状況であれば、グリーンシートは中小企業が直接投資家から資金調達できる場であり、信用も増すなど、非常に魅力的な制度であると言えます。 (2009.7.9) |
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