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印紙税
  今回は、印紙税について、その概要と、特に間違えやすい2号文書と7号文書について見ていきたいと思います。
1、印紙税とは
  印紙税とは、課税物件表第1号から20号に規定されている各種文書に対し、その金額、内容に応じて課税されるもので、原則としてその文書に収入印紙を貼付の上、消印をすることにより納税を行うことになっています。
2、非課税
  印紙税にも非課税の規定があり、次のような文書には課税されません。

@請負契約で記載金額が1万円未満等、各課税物件表に記載される非課税文書

A印紙税法別表第二に規定する、国等非課税法人が作成する文書

B印紙税法別表第三に規定する、国民健康保険組合等一定の者(以下、Aの国等非課税法人と併せて「国等」という。)が作成する文書で一定のもの

3、外国で作成される契約書
  印紙税は、日本国内で作成される文書に対して課税される税金であるため、国外で作成された文書については、課税されないこととなっています。従って、国内の事業者が製本等を行い、捺印を行った上で海外に送付し、海外において先方の事業者がサイン等を行うことにより成立する文書については課税されませんが、反対に、海外において製本等を行い、国内において押捺することにより成立する文書については、課税の対象となりますので、注意が必要です。(印紙税法基通49条)
4、2号文書「請負に関する契約書」
  印紙税法上、「請負」とは、「民法に規定する請負をいい、完成すべき仕事の結果の有形、無形を問わない。」と規定されており、民法では、「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」(民法第632条)。と規定されています。
  また、請負と混同しやすいものに「委任」があり、これについては、印紙税法上の課税文書には該当しないこととなっており、民法では、「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。」(民法第643条)と規定されています。

  従って、ある契約書を作成したときに、その契約が請負契約なのか、委任契約なのかによって、印紙の有無が決まってくることになりますが、基本的には、工事請負契約や、清掃契約、公認会計士の監査契約など、その仕事の完成に対し、引渡しや完了報告等を行うことにより報酬を支払うことを目的とした契約については請負契約に該当し、例えば、弁護士顧問契約や、税理士委嘱契約など、その業務内容が、日々の法律・税務相談のみであれば、委任契約に該当することとなります。(税理士の業務内容に税務申告書の作成業務が含まれる場合には、請負契約に該当することとなります。)

  判断にあたっては、仕事の完成の有無にかかわらず報酬が支払われるものについては、請負には該当しない場合が多く、また、無報酬の場合にも、おおむね委任と解される場合が多いかと考えます。
  その他、委任契約については、通常専門的知識を有する者との間の契約とされるため、その受任者には高度な善管注意義務が課されることとなり、請負の場合には、その仕事の完成物等に対し、欠陥等の瑕疵があった場合には、瑕疵担保責任が問われることとなる点が異なりますので、一つの参考として覚えておいて頂けると良いかと思います。

5、7号文書「継続的取引の基本となる契約書」
  この号に該当する文書とは、「継続的取引の基本となる契約で、3月を超える契約期間の記載があり、かつ、更新に関する定めのある文書」をいい、原則として営業者間で2以上の取引を反復継続して行われる取引について定めた契約書で、その共通条件のうち、目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格を定めるものを定めたもの全般が含まれます。(印紙税法施行令第26条第1項)

  また、上記施行令において、その取引の対象に請負契約を含むものと記載されておりますので、第2号文書に該当する場合には、この7号文書にも該当すると考えておいた方が確実です。
  もし、2号文書と7号文書の両方に該当するような契約であった場合には、その文書の帰属は、原則として2号文書に該当するのですが、契約金額の記載のない文書については、7号文書に該当することとなります。(通則3イ)

  なお、3、記載の委任契約書に該当するものであっても、本号の条件に該当する契約書であれば、7号文書に該当し、印紙貼付が必要となりますので、単純に、委任契約=印紙不要とはならない点に注意が必要です。

  例えば、売買委託基本契約書や、販売代理店契約書といったものがこの文書に該当します。

6、国等が作成する文書
  2、ABの非課税文書について、その文書が国等と国等以外の者とが共同して作成した文書である場合には、国等以外の者が保管する文書については、国等が作成したものとして非課税となり、国等が保管するものについては、国等以外のものが作成したものとして、課税となります。
  また、この判定は三者間契約となっても同様であるため、国等が2者いる場合には、その国等が保管する文書はそれぞれが課税文書とされますので、3部作成するのであれば、そのうち2部は印紙貼付が必要な文書となります。(印紙税法第4条第5、6項)

  また、国等については、原則として営業者に該当しないため、例えば国等と請負契約を締結した場合で、通常であれば2号文書と7号文書に該当することが考えられる文書であっても、国等との取引は7号文書の取引には該当しないため、記載金額に応じ、2号文書に記載する印紙貼付が必要となりますので、ご留意ください。

7、まとめ
  印紙税の判定にあたっては、文書名等の形式的な部分ではなく、あくまでその文章に記載されている個々の内容をもって、課税文書に該当するかどうかを判断することとなります。
  また、印紙が必要な文書に印紙を貼付していなかった場合には、その不納付分の3倍が過怠税として課されることとなるため、判断の際には、必ずその契約書の作成趣旨等を理解した上で行い、不安な場合には所轄税務署へ持込み確認を行うなど、慎重な対応が必要であると考えます。
<参考>判定フローチャート

※NOの場合には、その前の判定でNOとなった矢印と同じ矢印に進んでください。
(クリックすると拡大画像が見れます)

<参考>判定フローチャート


⇒平成25年度税制改正についてはこちら

(2012.7.4)

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