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2. 生命保険と法人の税務
法人が役員や従業員を被保険者とする生命保険の契約者(保険料支払者)となった場合の税務上の取扱いについて簡単に纏めます。 ①養老保険 養老保険の保険料を法人が負担した場合、保険契約者及び保険金受取人が誰であるかによってその保険料の税務上の取り扱いは異なってきます。保険金受取人が法人である場合には、養老保険は貯蓄性が高く、保険期間も長期であるため原則として支払った保険料を保険積立金等として法人の資産に計上し、法人が保険金を受け取ったときに一括して損金算入することになります。保険金受取人が役員または使用人である場合には、給与として取り扱われます。
※傷害特約等の特約に係る部分は損金算入。ただし役員等のみを給付金受取人とする場合には給与。 ②定期保険 定期保険は養老保険のような貯蓄性を有していないため、受取人を法人とする場合には金融費用的なものとして損金算入となり、受取人を被保険者の遺族とする場合には福利厚生費として損金算入となります。ただし、その被保険者が役員等の特定の者のみである場合には給与課税することになります。
※傷害特約等の特約に係る部分は損金算入。ただし役員等のみを給付金受取人とする場合には給与。 ※③に該当するものを除く。 ③長期平準定期保険・逓増定期保険 定期保険の中には保険期間が長期にわたるものや、保険期間中に保険金額は逓増するものがあります。このような保険は、定期保険であって支払保険料も平準化されていますが、保険期間の前半における支払保険料の中には保険期間後半の保険料に充当される部分が含まれていると考えられます。保険料の前払部分をも支払時に損金算入しないように保険期間の前半6割相当の期間において一定の金額を資産計上することになります。 長期平準定期保険とは、保険期間満了時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、加入時の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105を超えるものをいいます。ただし、逓増定期保険に該当するものを除きます。 逓増定期保険とは、保険金額が5倍の範囲内で増加する定期保険のうち、保険期間満了時における被保険者の年齢が45歳を超えるものをいいます。 支払保険料の資産計上額は下記の通りになります。 (長期平準定期保険)
(逓増定期保険)
※1 ②又は③に該当するものを除きます。 ※2 ③に該当するものを除きます。 ④ガン保険・医療保険(終身タイプ) 保険期間が終身で払込期間が有期のガン保険や医療保険は支払う保険料の中に前払保険料が含まれているため、払込保険料を損金算入部分と積立保険料部分とに区分して計上し、保険料払込満了後の期間において積立保険料部分を取り崩して損金の額に算入することになります。払込保険料の損金算入額は次の算式により計算します。 損金算入額=払込保険料×保険料払込期間/(105歳−加入時年齢) 積立保険料=払込保険料−損金算入額 D長期傷害保険(終身タイプ) 長期傷害保険は満期保険金がなく掛け捨てではありますが、解約等の場合には払込期間に応じた返戻金の払い戻しがあり、資産性があると言えます。このような保険については、保険期間の前半7割相当の期間において支払保険料の3/4を資産計上し、残額を損金算入することになります。 E定期付養老保険 保険料の額が保険証券等において養老保険に係る部分と定期保険に係る部分とに区分されている場合には、それぞれの保険料の額について①と②により取り扱うことになります。区分がされていない場合には、全体を養老保険に係る保険料とみなして①の取り扱いをすることとなります。 (2008.11.18) |
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