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倒産隔離
 証券化とは一定のある資産の信用力を根拠に資金調達を図る方法である。よって関係者(特にオリジネーターや特別目的会社)が倒産した場合に、破産管財人や債権者が証券化した資産を差し押さえてキャッシュフローに影響が生じるといったことが無いよう組成されなければならない。

オリジネーターからの倒産隔離
 流動化した資産はオリジネーターが所有し続けており、譲渡代金が借入金であると認識される場合、オリジネーターからSPCに支払われる賃料は借入金の弁済にあたり、更生手続き上倒産手続内で処理することとなる。SPCも一担保権者として取扱われ投資家への元利金の支払が不可能となりデフォルトが発生してしまう。

真正譲渡
 法律上の対抗要件を具備しているか、適正な譲渡価額か、会計上のオフバランス要件を満たしているか等を総合的に検証し、倒産隔離が達成された真正譲渡であるかを判断する。単純に譲渡契約を締結すれば良いというものではなく、取引の実態に応じて判断されるため、弁護士の法律意見書を取得することが実務上行われている。

SPCからの倒産隔離
 SPCは不動産を取得しそこから得られる収益を投資家に分配する箱に過ぎないという認識のもと投資家は出資を行っている。よってSPCが事業内容を勝手に変更することや、倒産手続に入ることは契約等により制限されている。

合意による倒産手続の防止
 実務上は倒産不申立の合意をすることが行われている。
◆SPC−投資家間
債務者が倒産手続の申立を行わない旨の合意

◆SPC−各契約相手方間
各契約相手方がSPCの倒産申立を行わない旨の合意

資産流動化法による制限
第195条
特定目的会社は、資産流動化計画に従って営む資産の流動化に係る業務及びその附帯業務のほか、他の業務を営むことができない。

第200条
特定目的会社は、特定資産の管理及び処分に係る業務を行わせるため、これを信託会社等に信託しなければならない。

第213条
特定目的会社は、資産流動化計画に定められたところによる場合を除き、特定資産を貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供してはならない。

第214条
特定目的会社は、業務上の余裕金を運用してはならない。
 この他SPCの社員や株主が投資家に不利な決定を行うことのないよう、SPCの持分は以下のヴィークルに保有させ、スキームの安定化を図る必要がある。

慈善信託
 ケイマン諸島等のタックスヘイブンにSPCを設立し、当該ケイマンSPCの持分を信託財産とした信託宣言(ケイマンSPC=委託者、信託会社=受託者)を行う。これによりケイマンSPCの支配者が存在しないことになる。

有限責任中間法人
 中間法人法に基づき、社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、剰余金を社員に分配することを目的としない社団をいう(中間法人法第2条第1項第1号)。
 株式会社の資本金に該当する基金の拠出者と、議決権を保有する社員が異なるため、オリジネーターが基金の拠出を行い、独立した弁護士や公認会計士が社員に就任することでオリジネーターによる議決権の行使が防止されるような仕組みが利用されている。

 なお有限責任中間法人は残余財産分配を通じて収益を還元することが可能であり、投資ビークルとして活用される可能性があることから、金融商品取引法上の「集団投資スキーム持分」の定義から除外されていない。よって合同会社の社員権を有する場合は投資運用業に該当する可能性がある。これについては中間法人の定款に「基金の返還に係わる債権には利息を付さない」、「基金は中間法人が解散するときまで返還しない」、「清算時の残余財産の分配額は基金拠出額を上限とする」という規定を置く措置が実務上講じられている。

手続きの流れ

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(2008.4.28)



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