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連結納税
  今回は、連結納税制度における申告納付についてまとめてみたいと思います。
  なお、連結納税制度における申告納付は、連結親法人と連結子法人でその取扱いが異なるため、連結親法人と連結子法人に区分して説明させていただきます。今回は、連結親法人の申告納付について、まとめてみたいと思います。
(1)連結法人税
@原則

  連結親法人は、各連結事業年度終了の日の翌日から2月以内に、税務署長に対し、連結確定申告書を提出し、連結法人税を納付する必要があります(法81の22@、81の27)。

A提出期限の延長の特例
(ア)内容
連結納税制度においても、単体納税制度と同様に提出期限の延長の特例制度が設けられています。

具体的には、連結親法人が会計監査人の監査を受けなければならないことなどの理由により決算が確定しないため、又は連結子法人が多数に上ることなどの理由により、連結所得の金額及び法人税の額の計算を了することができないために連結確定申告書を提出期限までに提出することができない常況にあると認められるときは、その提出期限を原則として2月間延長することができます(法81の24@)。

つまり、延長の特例の適用を受けた場合の連結確定申告書の提出期限は、その連結事業年度終了の日の翌日から「4月」以内であり、単体納税に比べて1月長い期間の延長が認められています。

なお、上記は、納付期限の延長ではないため、納付については、連結事業年度終了の日の翌日から2月以内が期限になります。また、提出期限の延長を受けている場合において、納付期限までに納付を行わなかったときは、納付期限の翌日から延長された提出期限までの期間については、利子税が課されることになります(単体納税制度と同様の取扱いになります)(法81の24B、法75F)。
(イ)手続き
連結親法人は、 最初に適用を受ける連結事業年度終了の日の翌日から45日以内 に、「連結納税の承認申請書」を連結親法人の納税地の所轄税務署長に提出する必要があります(法81の24@、A)。

なお、単体納税を適用していた際に提出期限の延長の特例を受けていた法人も、連結納税制度適用後、連結親法人として申告期限の延長の特例の承認を受ける場合には、新たに申請手続きをする必要があります(地方税も同様)。
(ウ)承認又は却下
申請書の提出があった場合において、その連結事業年度終了の日の翌日から2月以内に承認又は却下の処分がなかったときは、その承認があったものとみなされます。
(2)地方税(法人事業税、法人住民税)
@原則

  地方税には連結納税制度がないため、法人税で連結納税制度を選択した場合においても、地方税は、各法人ごとに申告納付することになります。

  各連結法人は、各連結事業年度終了の日の翌日から2月以内に、法人事業税及び法人住民税を、事務所等所在の都道府県等に申告納付する必要があります(地法72の25、地法53C)。

  なお、上記のとおり、法人税で連結納税制度を選択した場合でも、地方税では、各法人ごとに申告納付をすることになりますが、地方税額の計算過程では、連結納税制度の影響を受けることになります。例えば、事業年度は、連結納税制度における連結事業年度を基礎として申告をすることになり、また、住民税(法人税割)の課税標準である法人税額は、連結法人税の個別帰属額を基礎とすること等の影響を受けることになります(連結納税制度を採用した場合の地方税への影響については、次回以降にまとめさせていただきます。)。

A申告期限の延長の特例
(ア)内容
連結法人税について、上記(1)Aの承認を受けた場合には、地方税においても2月の提出期限の延長を受けることができます(地法72の25D、地法5345)。
(イ)手続き
延長の特例の適用を受ける場合には、以下の手続きが必要です。
なお、事業税と住民税で提出期限が異なっておりますので、提出の際には注意する必要があります。

a. 事業税
連結事業年度終了の日から45日以内 に承認申請書を提出する必要があります
(地法72の25D、地令24の4の3@)

b. 住民税
連結法人税の延長処分があった日から7日以内 に届出を行う必要があります
(地法5345、地規3の3の3)


(2013.8.26)

⇒申告納付(2)についてはこちら

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