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連結納税
連結納税制度離脱に係る青色申告承認申請
今回は、設立時より連結納税の適用を受けている会社が連結納税制度から離脱した場合の青色申告の承認手続について、纏めたいと思います。 1.質問
当社は、設立時より連結納税を適用している会社(親会社)が100%の持分を所有している3月決算の会社(親会社も3月決算)です。そのため、設立事業年度より連結納税の適用を受けていることから、青色申告の承認申請書を提出しておりません。 令和2年9月1日に親会社がその持分の30%を当該親法人の連結納税グループ外の第三者に譲渡することになりました。 この場合に、青色申告の承認申請書の提出期限について教えてください。なお、当社は、引き続き、3月決算の会社となります。 2.みなし事業年度について
連結親法人等が連結子法人株式を譲渡した場合には、その連結子法人は、連結親法人との間に連結完全支配関係を有しなくなるため、その有しなくなった日(以下、「離脱日=令和2年9月1日」)に、連結納税の承認が取り消されたものとみなされ、離脱日以後の期間については、その承認は効力を失うものとされています(連結納税グループからの離脱)。 また、連結納税制度から離脱することとなるため、一旦、グループから離脱するために課税ステータスを精算する必要があることから、法人税計算上の特別な事業年度(みなし事業年度)が設けられております。本件を例にしますとみなし事業年度は以下のようになります(法法14条@八)。 離脱直前事業年度 :令和2年4月1日〜令和2年8月末日 3.青色申告の承認申請期限
連結納税開始前に青色申告の承認を得ている場合には、連結納税制度から離脱したときであっても当該承認の効力は原則として有効なため、改めて承認申請する必要はありません。 なお、連結納税制度については、青色申告や白色申告という概念がなく、連結申告法人については、青色申告の承認申請書を提出することはできません(法法122条)。そのため、設立時より連結納税制度の適用を受ける法人の場合には、青色申告の承認申請書が提出されていないことから、離脱直前の事業年度以降から青色申告を行う場合には、その申請について以下のように期限が定められております(法法122条A五、六)。
※取消日の属する事業年度が3月に満たない場合には、当該取消日以後3月を経過した日と当該各事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日とのうちいずれか早い日の前日となります。 4.まとめ
設立時より連結納税の適用を受けている法人の場合には、青色申告の承認申請書が提出されていないことから、離脱に伴い当該申請書の提出を失念してしまうと青色申告制度により認められている欠損金の繰越控除や各種特別控除の適用を受けられなくなる等、会社にとって大きな損害が発生する可能性があるため、提出期限及び提出失念には充分注意する必要があります。 離脱直前事業年度(本件では、令和2年4月1日〜令和2年8月末日)については、連結法人としての単体申告というステータスであるものの青色申告の承認申請書の提出が必要となることから特に注意が必要です。 (2020.07.27) |
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