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グループ法人税制・その6

  今回は「100%子法人に対する中小企業向け特例措置」について纏めます。
1. 適用法人
  中小法人に対しては、脆弱な資金調達能力や零細な事業規模に配慮した政策的措置として軽減税率などの制度が設けられています。
  従前は自社の資本金の額又は出資金の額が1億円以下である普通法人であれば中小企業向け特例措置の適用を受けることができましたが、平成22年4月1日以後開始した事業年度からは自社の資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人(以下、「大法人」といいます。相互会社若しくは外国相互会社又は法人課税信託の受託法人も大法人として扱われます。)により完全支配されている普通法人は中小企業向け特例措置の適用を受けることができないことになりました。大法人の100%子会社は、中小のオーナー企業とは資金調達能力や事業規模の状況が異なるためです。

図1

  大法人との間にその大法人による完全支配関係がある法人とは、100%グループ法人内の法人のうち、大法人により発行済株式の100%を直接又は間接に保有されている法人をいいます。なお、100%グループ法人内に存する複数の大法人により発行済株式の100%を保有されている普通法人は、一の大法人による完全支配関係があるものとみなされます。

  また、資本金の額又は出資金の額が5億円以上の協同組合等や外国法人も大法人に含まれますので、これらの法人による完全支配関係がある普通法人については、中小特例が適用されないこととなります。なお、外国法人に完全支配されている普通法人は、その外国法人の現地通貨による資本金の額又は出資金の額を円換算して5億円以上かどうかを確認する必要があります。換算は、その普通法人の事業年度末日時点における電信売買相場の仲値で行うこととされています。

<例>
例

(注)
A・D…自社の資本金が1億円以下、かつ、大法人に完全支配されていないため、適用あり
B・C…自社が大法人であるため、適用なし
E…大法人(外国法人は大法人の定義から除外されていないことに注意)により完全支配されているため、適用なし
F…複数の大法人により100%保有されており、一の大法人に完全支配されているものとみなされるため、適用なし
G…自社の資本金が1億円以下、かつ、大法人に完全支配されていないため、適用あり
H…Fを通してB又はCに間接的に完全支配されているため、適用なし

2. 中小企業向け特例措置
  大法人による完全支配関係がある普通法人が適用を制限される特例についてまとめます。

例1

⇒「現物分配」についてはこちら

(2012.10.09)

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