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消費税
「旅行業者」

  今回は、海外旅行関係の旅行業者の消費税の取り扱いについてまとめたいと思います。
T.手配旅行と企画旅行
  前回、国内旅行関係の旅行業者の取り扱いについて取り上げた際に説明しましたが、今回も冒頭ではまず、手配旅行と企画旅行について説明しておきたいと思います。

@手配旅行とは、旅行業者が旅行者等の依頼を受けて、航空券や鉄道、ホテル等をそれぞれ手配・取次をして対価を得る行為です。

A企画旅行とは、旅行者等から包括的に旅行の請負を受け、旅行業者が航空券・鉄道やホテル、観光等を組み合わせ、企画し、旅行者に提供して、対価を得る行為です。予めパンフレットに掲載されているパック旅行などは募集型企画旅行といい、旅行者の希望に応じて旅行業者が企画するものを受注型企画旅行といいます。

U.海外募集型企画旅行(海外パック旅行)の取り扱い
(1)売上げの課税区分
  海外パック旅行の消費税の取り扱いについては消費税法基本通達において、以下のように整理されています。

(旅行業者が主催する海外パック旅行の取扱い)
7―2―6 旅行業者が主催する海外パック旅行に係る役務の提供は、当該旅行業者と旅行者との間の包括的な役務の提供契約に基づくものであり、国内における役務の提供及び国外において行う役務の提供に区分されるから、次の区分に応じ、それぞれ次のように取り扱うものとする。

(1)国内における役務の提供
国内輸送又はパスポート交付申請等の事務代行に係る役務の提供については、国内において行う課税資産の譲渡等に該当するが、法第7条第1項((輸出免税等))の規定の適用を受けることができない。

(2)国外における役務の提供
国内から国外、国外から国外及び国外から国内への移動に伴う輸送、国外におけるホテルでの宿泊並びに国外での旅行案内等の役務の提供については、国内において行う資産の譲渡等に該当しない。

  つまり、その組み合わせた様々な役務の提供のうち、パスポート交付申請等の事務代行、国内における輸送・宿泊サービス等を国内取引として課税の対象とし、国内から国外への輸送、国外における輸送・宿泊・観光案内サービス等は一括して国外取引に該当するものとして、課税対象外とします。

具体例を挙げると以下のようになります。

成田空港集合・成田空港⇔海外のパック旅行+事務代行等を全く行っていない まとめて不課税売上げとして処理
成田空港集合・成田空港⇔海外+パスポートの交付申請の代行を含むパック旅行 売上を国内部分と国外部分とに区分し、国内部分を課税売上げ、国外部分を不課税売上げとして処理
(2)仕入れの課税区分
  海外パック旅行のために直接要した国内におけるパンフレット・販促物の制作費が生じるケースがあるかと思います。これらは、課税仕入れに該当し、さらに個別対応方式を採用している場合には、国外取引に要する課税仕入れに該当し、「課税資産の譲渡等に要するもの」として仕入税額控除をすることになります。
(3)他社の募集型企画旅行を受託販売する場合
  代売手数料部分を課税売上げとして処理する必要があります。
(4)海外旅行に同行する添乗員の報酬の取り扱い
  人材派遣会社から添乗員等の派遣を受けた場合は、その添乗サービスが海外現地のみで行われるか、出国から帰国まで一貫して行われるかによって以下のように取り扱いが異なります。
@海外現地のみの場合 国外取引となり、不課税仕入れとして処理
A出国から帰国まで一貫して行われる場合 人材派遣会社の事務所等が国内にある 国内取引となり、課税仕入れとして処理
人材派遣会社の事務所等が国外にある 国外取引となり、不課税仕入れとして処理
V.海外手配旅行の取り扱い
  海外手配旅行の場合には、旅行者または運送会社等から手数料を受領することになり、海外旅行に係る手数料であっても、原則として課税の対象となり、課税売上げとして処理する必要があります。

(2013.4.12)

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