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生命保険金受取人が既に死亡している場合の保険金受取人とその金額はどうのようになるのでしょうか?
以下のような事例の場合における保険金受取人が誰になるのか、また、保険金受取額はそれぞれいくらになるのかをみていきたいと思います。 1、事例内容
(1)親族関係図親族関係図は、以下のようになります。 (2)保険契約内容 Aは、平成24年3月20日に死亡しました。死亡時点で以下のような生命保険に加入しています。
@被保険者:A (3)背景 Aは、Dと結婚する前に保険に加入しており、加入時の保険金受取人を父である甲にしておりました。Dと結婚し、また、甲の死亡後においても保険金受取人の変更を失念していました。そのため、Aの死亡時点では、A死亡に伴う保険金受取人が既に死亡している甲のままになっています。2、保険金受取人について
保険契約者は、保険事故(被保険者の死亡)が発生するまでは、保険金受取人を変更することができます(保険法43条@)が、保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる(保険法46条)とされています。
また、保険金受取人の相続人とは、「保険契約者によって保険金受取人として指定された者の法定相続人又は順次の法定相続人であって被保険者の死亡の時に生存する者をいう(最高裁H5.9.7第三小法廷判決)」とされています。 そのため、今回の事例では、甲の法定相続人であるB及びC、甲の法定相続人であるものの既に死亡したAの法定相続人であるD、E及びFの5人が、保険金受取人となります。 3、各人の保険金受取額
2においてB、C、D、E及びFが保険金受取人となりますが、それぞれの受取額は、法定相続分となるのでしょうか。この点、上記最高裁判決では、「生命保険金の指定受取人の法定相続人とその順次の法定相続人とが保険金受取人として確定した場合には、各保険金受取人の権利の割合は、民法427条の規定により、平等の割合によるものと解すべきであり、保険法の規定は、指定受取人の地位の相続による承継を定めるものでも、また、複数の保険金受取人がある場合に各人の取得する保険金請求権の割合を定めるものでもなく、指定受取人の法定相続人という地位に着目して保険金受取人となるべき者を定めるものであって、保険金支払理由の発生により原始的に保険金請求権を取得する複数の保険金受取人の間の権利の割合を決定するのは、民法427条の規定である」と判事されました。 そのため、今回の事例では、B、C、D、E及びFがそれぞれ2千万円(1億円×1/5)を受け取ることになります。 4、まとめ
生命保険契約について家族構成が変わっているにも拘わらず、当初契約した時点から変更していないケースはまま見受けられます。今回の事例の場合には、保険金が、妻や子供だけでなく、兄弟(法定相続人でもありません)にも支払われてしまいます。兄弟にも保険金を支払いたい場合にはまだしも、本来保険金を渡したかった子供等に十分な金銭を残すことができないケースも生じます。年に1度(確定申告時期)にでも、自身が加入している生命保険契約の見直しを考えてみるのも良いでしょう。 (2012.4.4) |
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