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相続税
胎児の相続権

  妊娠中に相続が発生した場合における相続について、相続する権利や相続税の申告について、取り纏めたいと思います。

1. 相続について
  「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす」とされています。そのため、原則として、既に生まれている子供と同様に相続分等について考えていくことになります(民法886条@)。

  ただし、「胎児が死体で生まれたときは、適用しない」とされています(民法886条A)。そのため、生きて生まれた場合には、他の子供と同様に取り扱われることになります。

2. 相続税の申告について

(1)申告期限

  相続又は遺贈により財産を取得した者は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければならないこととされています(相法27条@)。

  胎児については、まだ生まれていないため、いつを起算日とするかが問題となりますが、「民法886条の規定により、相続について既に生まれたものとみなされる胎児については、法定代理人がその胎児の生まれたことを知った日」を「相続の開始があったことを知った日」として取り扱うこととされています(相基通27-4(6))。そのため、胎児とその他の相続人とは、相続税の申告期限が異なることとなります。

  さらに、相続開始の時に相続人となるべき胎児があり、かつ、相続税の申告書の提出期限までに生まれない場合においては、原則として、当該胎児がないものとして相続税の申告書を提出することになりますが、当該胎児が生まれたものとして課税価格及び相続税額を計算した場合において、相続又は遺贈により財産を取得したすべての者が相続税の申告書を提出する義務がなくなるときは、当該胎児以外の相続人その他の者に係る相続税の申告書の提出期限は、こられの者の申請に基づき、当該胎児の生まれた日後2月の範囲内で延長することができることとされています。

(2)法定相続人の数

  相続人となるべき胎児が相続税の申告書を提出する日までに出生していない場合においては、当該胎児は、基礎控除額の計算における相続人の数に含めないで計算することとなります(相基通15-3)。胎児が生まれた後に相続税の申告書を提出する場合には、その胎児は、上記相続人の数に含まれることとなりますので、基礎控除額が1人分多くなります。

(3)課税価格の計算

  相続税の申告書の提出の時(更正又は決定をする時を含む。)においてまだその胎児が生まれていないときは、その胎児がいないものとした場合における各相続人の相続分によって課税価格を計算することとされています(相基通11の2-3)。課税価格の計算においても法定相続人の数と同様に出生後には、各相続人の課税価格の計算に影響することになります。

3. 更正の請求手続
  胎児が生まれる前に相続税申告書を提出した場合には、2でみたように胎児が生まれた後に比べて相続税の課税価格や相続税額が高くなるケースが想定されますので、胎児の出生後には、相続税を多く納め過ぎる結果となります。そこで、相続税の申告後に胎児が生まれたときは、相続人に異動が生じる結果となるため、胎児がうまれたことを知った日の翌日から4月以内に限り、更正の請求をすることができることとされています(相法32条@二、相基通32-1)。

(2014.08.25)

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